ガンバ至宝対決は宇佐美が制する

試合前にふと気がつく
「そういえば前半戦の大半をケガで離脱していた宇佐美にとって
家長と直接対決するのはこれが最初なんだよな」
ともに長岡京のジュニアチーム出身で年上の家長を「天才」と称する宇佐美にとって
憧れであり、目標でもあった存在との対決はこれまでとは一味も違うものとなったはず。
それは試合中のプレイでも見てとれました。
今年一番のキレのあるドリブルでとにかく抜きにかかり「個」としての宇佐美の力をアピール
ともすれば独りよがりとも取られかねないプレイでしたが
横の揺さぶりに緩急を織り交ぜたドリブルで大宮ＤＦは腰砕けになるシーンが続出。
これだけでも手がつけられないのに、フィジカルを生かしてサイドできっちり起点を作る
パトリックもいるのですから、もう大宮はたまったもんじゃないでしょう。

１点目はその起点から奪ったＦＫのこぼれ球を今野が押し込み、
２点目はパトリックのボールを無理に獲りに行った今井が弾き飛ばされてフリーになったところで
宇佐美にパス、それをキーパーの頭上を抜くゴラッソ
それほど余裕がある状況ではなかったように見えましたが、宇佐美本人は
「時間的余裕があったので上を狙ってみた」とか言える当たり、相当に集中できていたことが分かります。
対する家長は鋭いドリブル突破を見せる場面はありましたが中盤の底に降りてゲームメイクしなければならない
チーム状況にも足を引っ張られ、本来の攻撃性を発揮する場面はほとんど見られませんでした。
こうして長岡京を代表するサッカープレイヤー対決は宇佐美の圧勝で幕を閉じました。
かつて家長に魅了された人間としては、もっとチーム状態のよい大宮での戦いで決着をつけてほしかったと
残念に思うところもありますがこればかりはしょうがないところです。
試合後の出し切った表情でユニ交換をするショットが本当に感動モノでした。
こう言ってはなんですが「これが２人の最初で最後の対戦だった」と言っちゃってしまうくらい良い絵でしたｗ
もちろんこれを皮切りに２人はもっともっと心に残る名勝負を見せてほしいですね。

なんというか…
Ｊリーグでフィジカルモンスターが一人いるだけでこれほどまでに攻略難易度が下がってしまうのは
逆にいかがなものかと感じてしまう面もありますが、ガンバはまだ５位。
首位との勝ち点差もまだまだたっぷりありますので、上位との対決がある終盤戦に向け
ひとつでも勝ち点差を詰めて、優勝争いを盛り上げていきたいものです。